「変動金利」が下がらない理由(Ⅱ)

2019年05月26日

「変動金利」が下がらない理由(Ⅱ)

             
◇10年以上不動の「2.475%」
 実は、この「店頭金利」はこの10年間「2.475%」でまったく変わっていない。もとになる短プラが09年1月から「1.475%」で動かないためだ。短プラは、市中金利の影響は受けるものの、銀行が調達コストなどとの見合いで独自に決める。低金利が長期化し16年のマイナス金利導入で短期金利は過去最低水準になったが、銀行は、短プラを下げれば利ざやが確保できず、財務が悪化するために据え置いている。現在の短プラは01~06年につけた過去最低1.375%を上回る。
 だが、実際の変動型住宅ローンの金利は下がり続けている。これにはトリックがある。住宅ローンには、決められた条件を満たせば一定の金利分を「優遇幅」として店頭金利から差し引く「優遇プラン」があり、契約後はその優遇幅がずっと適用される。いわば店頭金利は「定価」、優遇幅は「値引き」にあたり、定価は下げないが、値引き幅を広げることで、実際の金利を下げているわけだ。この実際の金利は「適用金利」「融資利率」などと呼ばれる。メガバンクで平均した変動型の最優遇金利は09年4月は1.175%だったが19年4月は0.525%。最優遇幅を1.3%から1.95%に拡大した結果だ。
 優遇が受けられる条件は、銀行により異なるが、口座を給与振込や公共料金引き落とし用にする提携のクレジットカードを作る――など形式的なもので、「優遇」というものの、幅広く適用されている。

新しい家