「変動金利」が下がらない理由(Ⅲ)

2019年05月27日

「変動金利」が下がらない理由(Ⅲ)

 

◇すでに借りている人には「恩恵なし」
 なぜこんな面倒なことをしているのか。最大のポイントは、優遇プランの「適用金利」は、新規に住宅ローンを組む人だけに適用されることだ。
 すでにローンを組んでいる人は、優遇幅を差し引いた金利が適用されるので、店頭金利が下がらない限り、金利は下がらず、金利低下のメリットは及ばない。逆に将来、短プラが上がり、連動して店頭金利が上がれば、適用金利も上がる。つまり「変動」とはいえ、事実上、上がることはあっても下がることはない一方通行だ。
 優遇幅の仕組みは、日銀がゼロ金利を導入した01年、メガバンクが「ゼロ金利実感キャンペーン」と名付けて始まった。当初は期間限定の顧客獲得策という位置付けだったが、低金利の長期化とともに常態化する。06年には「キャンペーン」という表現では誤解を生むと問題視され「優遇プラン」などと呼び替えられた。
 銀行にとっては、新規顧客を獲得する手段としてアピールでき、いったん契約した人については金利収入が減るリスクを避けられる。住宅ローン獲得競争が激化し、銀行にとって住宅ローン事業の採算性は低下しているものの、やめられなくなっているのが実情だ。

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