介護に励んだ妻や親戚が貢献分を請求可能

2019年06月17日

介護に励んだ妻や親戚・相続人が貢献分を請求可能

 

 現行では、相続人である長男自身が父(被相続人)の介護などに貢献してきた場合は、遺産分割時にその貢献を「寄与分」として考慮。これを相続分に上乗せする形で長男が多めに遺産をもらう方法が取れる。長男が介護に当たったことで父は介護施設費用などを負担することなく、結果その財産維持・増加に貢献(特別の寄与)したことが認められることが条件だ。

 一方で介護をした人が長男の妻や親戚など相続人以外だった場合は、話は別。寄与分の制度の対象外となり、遺言がない限りはこの貢献に対する特段の相続財産の配分は考慮されない。

 こうした点は不公平だとこれまで多く指摘されていたが、今回の改正ではここを改善。親族(特別寄与者)であれば、被相続人から見て相続人でない人でも、無償で療養看護(介護)などの労務を提供した場合、相続発生後に相続人に対して金銭(特別寄与料)を請求できることになる。もちろんこの場合も、被相続人の財産の維持・増加に貢献したことが認められる必要がある。

 これまで、家族や親戚だからという理由で介護を任せ、その対価は曖昧になっているケースも多いのだろうが、この改正で介護が重要な労務の提供だと意識されることになりそう。

 改正された制度を正しく生かすには、注意すべきポイントもある。まず、新設された特別寄与料(以下、寄与料)を請求できるのは「被相続人の相続人でない親族」が対象。親族とは民法上、6親等内の血族、配偶者及び3親等内の姻族(子の配偶者など婚姻によりできた親族)を指す。一般に考えられるのは、被相続人の長男の妻など子の配偶者、そして兄弟姉妹(相続人でない場合)、おい・めいなども寄与料を請求できる立場となる。

 ただし法的な婚姻関係を結んでいない内縁の妻(事実婚)その連れ子については、今回の改正では対象外。これまでの法改正の議論の中で「対象とすべき」という意見もあったようだが、見送りとされた。この点をどうするかは今後も議論が続きそうだ。