契約不適合責任が不動産売買に与える影響

2019年12月20日

契約不適合責任が不動産売買に与える影響

 

 売買の目的物が契約の内容に適合しなかった場合、買主の本来的な要求は「目的物を契約の内容に適合した状態にして欲しい」というものです。第一次的な買主救済の手段として追完請求が認められたことには大きな意味があると考えられます。

 しかしながら、売主が追完請求に基づいて修繕工事などを実施しても、売主と買主とは利害が対立する立場にありますので、その工事内容に買主が満足するとは限りません。売主が買主から請求された方法とは異なる方法による追完をすることができるか否かに関して売主と買主との間で意見が食い違うことも生じるでしょう。不動産売買の現場において、「追完」の内容・方法に関する紛争が多発する可能性があると考えられます。

 また、契約解除の要件が緩和されたため、売買対象となった不動産に何らかの問題があった場合、買主からは積極的に契約解除が主張されることになると予想されます。しかし、売主としては安易に契約解除を受け入れることはできないでしょうから、今後は、契約解除の有効性を巡っての紛争も増加すると考えられます。

 改正民法における契約不適合責任は、瑕疵担保責任の延長線上にあるものではなく、完全に新しい概念です。そのため、不動産売買に携わる者は、改正民法の施行に先立ち、その概要を理解し、契約内容を見直すなど、トラブルの発生を未然に防ぐことが必要となります。

 

 

人々