コロナ後見据えた外需追い風

2021年08月15日

コロナ後見据えた外需追い風、製造業が急回復…苦境続く運輸・旅行と格差広がる

 

東証1部上場企業の業績が急回復している。SMBC日興証券によると、12日までに2021年4~6月期決算を発表した1280社(金融とソフトバンクグループを除く全体の96・0%)の最終利益の合計は前年同期の5・2倍に膨らみ、15%の194社が通期の業績見通しを上方修正した。一方、運輸・旅行などは苦境が続いており、業績格差が広がっている。 

 

 最終利益が前年同期比で増益だった企業は891社と全体の約7割を占めた。19年同期と比べても29・6%増え、新型コロナウイルス感染拡大前の水準を上回っている。

 

通期の最終利益を上方修正した194社のうち、製造業が135社と7割を占め、好調ぶりが際立つ。ワクチン接種が進む欧米や感染拡大を比較的抑え込んでいる中国など経済回復で先行する海外の需要を取り込み、新車販売などが伸びている。

 

日産自動車は22年3月期の最終利益の見通しを5月時点では600億円の赤字としていたが、「米国の市場環境が好転している」として、1200億円引き上げて600億円の黒字とした。自動車産業の先行きが明るいことで部品関連や素材各社にも恩恵が広がった。自動車メーカーが増産に向けて部品の在庫を積み増していることから、電子部品大手の村田製作所も最終利益の通期予想を310億円引き上げた。

 

一方、非製造業では、前年同期比で最終利益が2・7倍となったものの、19年同期比では7・9%減とコロナ前を下回った。緊急事態宣言の長期化や対象地域の拡大で、JR西日本や近畿日本ツーリストを傘下に持つKNT―CTホールディングスはいずれも、4~6月期の最終利益と22年3月期見通しが赤字となっている。

 

今後の企業業績の見通しについて、「内需中心の非製造業は引き続き厳しい。製造業も、外需が急速にしぼむことは考えにくいが、半導体不足や原材料高騰のリスクがひそむ」と指摘している。