日銀17年ぶりの利上げ マイナス金利解除

2024年03月20日

日本銀行は、きょうまで開かれた金融政策を決める会合で、マイナス金利政策を解除するなど大規模な金融緩和策の見直しを決定した。2007年以来、およそ17年ぶりの利上げ。

 

日銀はこれまでイールドカーブ・コントロールと呼ばれる長短金利操作、具体的には▼短期金利をマイナス0.1%、▼そして長期金利をゼロ%程度に誘導することを柱とする金融緩和策を行きたが、長期金利の誘導目標を撤廃。短期金利については今後、代表的な指標である、「無担保コール翌日物」の金利を0%~0.1%程度で推移するよう促す。短期金利の利上げは2007年以来17年ぶり。また、これに加えてETF=上場投資信託などリスク資産の買い入れ終了も決定した。

 

見直しの理由について日銀は「賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきており、2%の物価安定目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断。マイナス金利政策やイールドカーブコントロールなどの大規模な金融緩和は、その役割を果たしたと考えている」と説明している。日本銀行は、現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、当面緩和的な金融環境が継続すると考えているとしている。

 

今回、マイナス金利解除にあたって賃上げ状況を注視するとしてきた日銀の背中を強く押したのが、先週金曜日に連合が発表した春闘の「賃上げ率」。去年の3.8%を大幅に上回る5.28%に達し33年ぶりという記録的な高水準となる。

 

東京外国為替市場では、日銀が「当面緩和的な金融環境が継続する」と発表し、追加の利上げに言及はなかったことなどから円相場は円安方向に進み、一時1ドル=150円台をつけた。一方、東京株式市場では、円安が進んだことなどにより値上がり。結局、終値はきのうより263円高い4万3円と3月6日以来、2週間ぶりに4万円台を回復した。

 

 

 

 

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